ホイールのボルトやナットはどれくらいの力で締めれば良いか

最近では自分でタイヤ交換、もちろんホイールごとですがジャッキアップして交換するようなこともなくなりました。冬になると雪が積もるエリアの方などは時期になると自分でスタッドレスタイヤに交換したりされる方も多いかと思いますが、それ以外ではほぼ必要ない作業です。昔と比べるとタイヤのパンクは道路のコンディションが良くなったなど様々な理由から減っていますから、そもそもホイールを外すという作業が不要です。ですが、経験がないといざ交換となった際、余計に「どうやって交換するの」「どれくらい締めたらいいの」となってしまいます。

思いっきり締めれば良い訳じゃない

ボルトの固着などで外す際にめちゃくちゃ固く締まってる!と感じるかも知れませんが、ホイールのボルトは実際にはそこまでの力で締める必要はありません。緩いよりは強めの方がマシだとは思いますが、一定以上の力を加えてしまうとボルトが伸びて強度は下がってしまいます。

基準は「締め付けトルク」で決まっている

実はホイールのボルトだけでなく、車のボルトは全て「どのくらいの力で締めればよいか」がマニュアル(整備用)を見るとほぼ全て決められています。また、どれくらいの力で締めるかだけでなく「どの順番で締めるか」についても明記されています。

ホイールのボルトに関してはマニュアルには記載されていないかも知れませんが、締め付ける順番は決まっています。

基本的には規定トルクで締める

なんだそれは?と思われる方も多いかと思いますが、締め付けトルクの表記のひとつN•mは「ニュートンメーター」と読みます。作業をされる方の体重にも寄りますが、ホイールの締め付けはしっかり体重を乗せて「グイっと」締める程度です。体重の軽い方は思ったより力を入れる必要があるかも知れませんが、男性が思いっきり締めるほどの力ではありません。

力加減の話ですから口で説明する、文章にすること自体に無理がありますね。

「トルクレンチ」という工具を使って締める

お客様の車を返却する際、必ずこれはチェックする項目なのですが、トルクレンチを使用してホイールの取り付けボルトがきちんと締まっているかを確認します。

一般の方でも整備が好き、車をメンテするのが好きな方でそこそこ工具が使える方なら、10回も締めると大体感覚で「これくらいだな」という感じで身体で覚えれるのですが、トルクレンチを使ったことが無ければなかなか分かり辛いですね。

KTCがホイール専用のトルクレンチを販売しています。

私もこの記事を書くまで知らなかったのですが、国産車はメーカー別でトルクが若干違うようです。上記リンクのトルクレンチは108N•mで日産、ホンダ用で販売されています。トヨタ、ダイハツ用は103N•m、スズキ、ニッサン軽自動車用は85N•mのものが販売されているようです。これまでは全て105N•mで締めると思っていました。

整備士でも、こういった専用工具の類は自分ではあまり購入せず、整備工場が用意するような工具だと思いますので、買わなくても良いと思います。

締め付ける順番

これが肝心です。この順番が違うと斜めに締まっていくことになりますから、いくらトルクレンチを使って締めたとしても緩んでしまう可能性があります。

基本的には遠いところへ移動

ホイールのボルト、一般的に4穴と5穴だと思いますが、4穴は簡単です。

時計で言うと、12時、6時、3時、9時の順番で締めます。

5穴の場合は下図のように対角に締めていきます。

最初は勘違いしそうですが、慣れると体が勝手に動く感じです。そこまで何回も締めつける経験自体普通はないので難しいかも知れませんね。

車の部品のみならず、何か複数のボルトで止まっているものを取り付ける際、基本的にこういった感じの順番で締めるんだと覚えておくと良いかと思います。

面が広いものは基本「中から外へ」

ノートパソコンを分解する、裏蓋を外して再度取り付ける際は、上記のような感じで対角に締めるのですが、内側から外側に広がっていくように締めていきます。

要は歪みを消しながら締めると間違いないという事です。

機械のほとんどの部品の取り付け手順はこのような順番で締めるよう指示されているはずですので、豆知識として覚えておいて損はないと思います。

おわりに

ホイールを外して取り付けること自体、最近では必要のない作業になってきましたが、いざという時にスペアタイヤに交換しないといけない、そんな時にこういった知識が役に立つので「なるほどねー」って程度で良いので覚えておくと良いかと思います。