【全国一律3度目の特例】車検証の有効期限が伸長される仕組みの解説

国土交通省お知らせページより

これで3度目の特例の発令になりますが、今回は対象範囲が全国に拡大された特例となります。

対象車両

今回の特例の対象となる車両は

車検証の有効期限が令和2年6月1日〜6月30日までの車両

こちらが対象となります。

新型コロナウイルス感染拡大を防止するため、新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施すべき期間が延長されたことに伴い、自動車検査証の有効期間が令和2年6月1日から6月30日までの自動車について、全国一律に令和2年7月1日まで自動車検査証の有効期間を伸長します。

http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha09_hh_000242.html

この期間に車検を受ける必要がある車両に関しては7月1日まで伸長出来るということです。

過去2回行われた車検証の伸長措置で、有効期間が6月1日に伸長された車も対象となります。

複数の資料を参照する

トップの画像は5月8日のプレスリリースの資料ですが、この説明を見ただけではなかなか理解できませんね。

では過去の伸長措置を受けた対象車両はどの車両なのか。これは5月7日付の国土交通省プレスリリースの参考欄に書かれています。

国土交通省・報道発表資料より
クリックで拡大出来ます。

こちらの資料を見ると

2月28日付公示の対象地域は全国、伸長日は令和2年4月30日となっていますが、※欄にあるように6月1日までさらに伸長されています。

4月7日公示の対象地域は限定的ですが、こちらも6月1日まで伸長対象。

4月16日公示は全国が対象で6月1日まで伸長。

このように全ての車両が既に6月1日まで伸長されていることになりますね。

そして今回の公示は「有効期限が6月1日から6月30日までの車両」ですから、結局は全ての車両が該当することになります。

いつ車検を受けるかで伸長される期間が変わる

ここで再度トップの画像の資料を確認すると

以降車検については全て2年と書きますが、貨物自動車の場合は1年と読み替えて下さい。

7月1日までの間に車検を受ける必要がありますが、一番左の欄に書かれている「車検受験日が5月31日以前」についてですが、もし5月中に車検を受ける場合は、新しい車検証の有効期限が2年後の6月1日になりますので注意が必要です。

伸長を希望した場合の自賠責保険について

こちらも少々複雑です。自賠責保険に関してはこちらに記載があります。

国土交通省・自動車検査証の有効期間の伸長に関するQ&A

出来るだけ単純に考えないと頭が混乱しそうな感じですが、自賠責に関しては「継続契約の締結手続きが令和2年7月1日 を限度として猶予されている特例措置」であるため、保険なしで運転出来るといった話ではなく「後から遡って契約すれば良いようにした特例措置」ですね。

要点をまとめると

  • 伸長する場合は、伸長した車検証有効期限の2年後まで含めた自賠責を持参して車検を受ける
  • 車検証上の検査が切れていて、伸長するまでの期間(検査を受けるまでの期間)運転する(していた)のであれば現在の自賠責の期限から保険が切れている時期が出来ないように自賠責保険に加入する

車検時期が特例措置でずれたとしても、全ての期間において自賠責保険が切れている期間が出来ないように加入して車検を受けなければいけないという事です。

5月中に車検を受けるなら

現在加入している(手元にある)自賠責の満了日から伸長された有効期限の2年後、令和4年の6月1日まで繋がる自賠責が必要です。

6月中に車検を受けるなら

現在加入している(手元にある)自賠責の満了日から伸長された有効期限の2年後、令和4年の7月1日まで繋がる自賠責が必要です。

伸長を希望しない場合の自賠責保険について

こちらは簡単にいうと「車検が切れたまま放置していた車両があり、その車を使うから車検を受ける」のと同じパターンです。要は伸長を希望しないのであれば、車検を受ける日から2年間をカバーする(次の車検が切れるまでの期間)自賠責保険に加入しておけば良いという事です。通常であれば25ヶ月で加入するパターンになります。当然車検証の有効期限は検査を受けた日から2年間になります。

伸長期間中は臨時運行票は不要

前述のQ&Aのリンク先、問4に書かれていますが、記事を書いている現時点では令和2年7月1日までの間は臨時運行票(仮ナンバー)を付けなくても運行できます。

令和2年7月2日以降に運行する場合は仮ナンバーが必要となります。ですから伸長を希望するしないに関わらずそれまでに車検を受けるのが得策でしょう。

おわりに

この件について、理解が正しいかどうかの確認をしようと思い陸運局へ電話しましたが、予想通りずっと話中で全く繋がりませんでした。

仮にほぼ全ての車両が7月1日まで伸長することを適用した場合、2年後の6月1日から1ヶ月の車検がとんでもない混み具合になってしまいますね。3月から6月までが有効期限の車両がそこに集約するわけですから、4ヶ月分が1ヶ月に圧縮されることになります。1年のあいだに車検を受ける必要のある車の3分の1が1ヶ月にどっと押し寄せることになりますので、その混み具合は想像を絶します。

現時点で2年後はどうなっているのか全く想像がつきませんが、このままでは2年後の車検時に陸運局はパンクしてしまうことになりかねませんね。

考えられる対応策としては

  • 現在、有効期限の1ヶ月前から受ける事が出来る車検を、運転免許の更新のように前後1ヶ月を車検期間として認める
  • 有効期限の2ヶ月前から受検可能にする
  • 特例を作って税金や印紙代は全て半額にして、一度だけ一年車検を認めて年度をずらす

くらいでしょうか。

まぁ現時点で先のことを考える余裕がなかなか取れないでしょうから仕方ありません。

参考資料まとめ

自動車検査証の有効期間を伸長します(対象期間の延長)~新型コロナウイルス感染症対策~

自動車検査証の有効期間を伸長します(対象期間の延長)~新型コロナウイルス感染症対策~ 令和2年5月7日報道発表資料

国土交通省・検査登録の仕組み内お知らせ「新型コロナウイルス感染症対策」

国土交通省・検査登録の仕組み内お知らせ「新型コロナウイルス感染症対策」参考資料

国土交通省・検査登録の仕組み内お知らせ「新型コロナウイルス感染症対策」Q&A

注意

しっかり読み解いたつもりですが、理解が正しいか陸運局へ確認を取った、保険会社に問い合わせた訳ではなく私が読み取った理解で記事を作成していますので、間違った解釈をしている可能性もあります。不安な方は確実にするために陸運局へ問い合わせる、保険会社へ問い合わせるなど行って下さい。

また間違いを指摘いただくのは大歓迎です。コメント欄やお問い合わせ欄、またはTwitterでの連絡等お待ちしております。

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クルマの話特例,車検

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