三角停止表示板が無いと違反になるの?状況によっては道路交通法違反となります

故障した車を道路の端に止めて、JAFなどのロードサービスを待っているような状態、近頃はほとんど見ることが無くなりましたね。それだけ車の故障率も下がっていますし、道路の状態も良いですから昔のようにタイヤがパンクするなんて事もほとんど無くなりました。

しかし、まさかの故障などの場合、車を路肩に寄せて止めて救援を待つ状態になると思いますが、その際に怖いのが追突事故です。

これを避けるために用意するものが発煙筒だったり三角停止表示板だったりする訳ですが、発煙筒は車に積んでいなければ車検は通りません。

では三角停止表示板はどうなんでしょうか?

運転免許更新の講習で聞いた話

免許の更新の記事でも書いたのですが、今回の免許更新は、2年ほど前に青切符を切られたので講習を受ける必要がありました。

違反者講習、時間も取られるし面倒だと思う部分もあるのですが、こうしたチャンスが無いと警察の方から聞けない話なんてのが結構あったりします。今回の講習で印象的だった話の中のひとつに三角停止表示板の話があったので、これは記事にしたほうが良いと思い、この記事を作成することにしたのですが、その他にも気になる話がいくつかあり、また今後の運転に役に立つような話もありましたので紹介したいと思います。

高速道路上でよく違反となるケース

高速道路を走行中、追い越し車線を走っていて、覆面パトカーと気付かずに追い越してしまった。その際、覆面にすぐに後ろに付かれますね。これに気付いて慌ててブレーキをかけて減速するドライバーが多いとの事。

あまりに急な減速だと、これはこれで何かの違反として切符を切られる可能性が高いとは思いますが、そうではなく減速しても切符が切られる原因となる行動があるそうです。

車両通行帯違反

覆面に気付いてすかさずブレーキ、減速したからもう大丈夫と思ったらやっぱり止められる。この理由は「追い越し車線を走行し続けている」事によって違反となります。

追い越し車線は、あくまで追い越し車線ですから、追い越しが完了したら速やかに走行車線に戻らなければなりません。

後ろに付かれた事によって減速する事に意識が集中してしまい、走行車線に戻ることを忘れてしまってそのまま切符というパターンが非常に多いそうです。

この話を聞いた時に「なるほどなぁ」と感心しました。そこで「では高速道路の交通違反の比率って一体どうなっているのか?」が気になったので調べてみました。

高速道路上の交通違反比率

まぁ予想通りの展開ですが、高速道路上での交通違反はやはり速度超過が大半ですね。しかしこれは前述の話が正しいことの裏付けとなる興味深いデータです。

主法令違反別件数構成率
最高速度違反374,08571.4%
積載違反9540.2%
車両通行帯違反61,36211.7%
車間距離不保持6,1391.2%
酒酔い、酒気帯び運転3040.1%
駐・停車違反560.0%
無免許、無資格運転7560.1%
その他80,50515.4%
総数524,161件100.0%
参考資料:内閣府・平成29年度(2)高速道路における交通指導取締りの状況:第1-15表

この車両通行帯違反の数値を見ると、速度超過以外の違反の中でダントツに高い件数(その他を除く)ですね。全体の1割を超えています。逆に言うと高速道路上で捕まる理由で、スピード違反以外の違反はほとんど車両通行帯違反で捕まるとも言えますね。

これは気をつけなければいけません。覆面に気付いた場合以外でも、普通に高速を走行する際、渋滞している場合は追い越し車線も何もあったもんじゃないですが、そこそこ空いてる状況の場合はほんとに気をつけないと、知らない間に違反を続けているなんて事になりかねませんね。

高速道路でのとある事故

この事故は一般的に起こる高速道路上の事故とは異なる珍しいケースなのかも知れません。検索すると多くの情報が見つかりますが、2017年10月に起きた中国道での死亡事故です。

トラックのスペアタイヤに衝突

高速道路上にトラック用のスペアタイヤが落ちており、そのスペアタイヤに最初に衝突したのは軽自動車。この軽自動車には2名が乗車しており、衝突したあと車内にいるのは危険と判断したため、車を離れて路肩へ移動していたそうです。

後続のトラックもスペアタイヤに衝突

その後、後ろから来たトラックが道路上のスペアタイヤに気付かずにそのまま乗り上げ、トラックが横転。その横転したトラックが路肩に避難していた2名の方に行ってしまい、死亡事故となったそうです。

被害者の方が本当にお気の毒です。ご冥福をお祈り致します。

もし三角停止板があったら

三角停止板だけでなく、発煙筒を焚くなど後続車両に道路上の危険物を即座に伝える手段を取っていれば事故は避けれた可能性があります。

警察の方が講習で話されたのは以下です。

こういう場合は、車から離れる際に必ず発煙筒を持って車から離れてください。そしてその発煙筒を点火し、道路上の危険物へ向かって投げて下さい。そうすればその煙はおよそ2キロ先からでも確認できますので後続のドライバーは必ずそれに気付きます。そうすれば更に事故が発生する可能性が下がります。発煙筒は障害物へ持っていこうとはせず、離れたところから投げれば問題はなく、ちゃんとした場所に設置しようと道路に出るのが一番危険です。少々離れていたとしても、煙を見たドライバーは必ず減速し、何かあるはずだと用心しながら近づいてくるので、それで問題ありません。

録音していた訳ではありませんので一語一句正しいという保証はありませんが、講習の際に上記のように話されていました。

夜だと煙は見えにくいかも知れませんが、発煙筒はかなり明るい光を発するので夜でも問題なく使用できます。

三角停止板は車に積んでいなくても違反にはならない

車検でチェックされる項目の中に入っていないという事は、やはり積んでいなくても違反にはならないということです。

この記事で書いてある項目には該当しませんので、無くても車検は通る、車検に合格できるわけです。

必要となった場合に設置しないと違反になる

これ結構いやらしいと言うか、それなら法律で義務化すべきじゃない?と正直思うのですが、必要な時に三角停止板を設置していないと違反になってしまいます。

路肩に車を止めている時に設置していないと違反

車のドライバーは高速道路上での突然のトラブルやガス欠など、どうしても路肩に車を寄せてレスキューを待つ状態になってしまった場合、自車の後方に三角停止板を設置する義務があります。

これを怠ると違反となります。ですが今の車は新車時に三角停止板が付属していない車がほどんどだと思います。

三角停止板を持っていないと当然設置はできないので、今の車は高速道路でトラブった際、殆どの車が違反となるのは間違いありません。

ただ、それで切符を切られるかどうかは分かりません。弱り目に祟り目のような違反切符の切り方を警察がガンガン行うとはちょっと考えにくい(どちらかと言うと助けてくれるというニュアンスの方が強い気がする)ので、運次第といったところでしょうか。車両のトラブルだとそうかも知れませんが、ガス欠の場合は完全に自己責任、うっかりであることは間違いないので、違反として切られる可能性が高まるような気がします。

あくまで私個人の意見ですので参考にはされないように。

三角停止板は意外と安い

長年車業界で働いていましたが、三角停止板の価格なんて過去に一度も調べた事はありませんでした。

今回この記事を作成するにあたって検索してみましたが、思ったよりも安価でびっくりしました。

たったこれだけの値段で買えるのであれば備えあれば憂いなし、一つ買っといて車に積んでおくと良いと思います。

消耗するような物ではありませんので、車を買い替えた際も変わらず使えますので、ほぼ一生モノとして使えますね。

発煙筒はもっと安い

さらに発煙筒の値段も調べてみました。Amazonでは以下のアナログタイプ?の発煙筒は取り扱いがありませんでした。

最近は以下のような電池式の発煙筒も増えています。

発煙筒は全ての車に必ず装備していなければいけませんので、車をお持ちの方であればすでに皆さんお持ちです。

殆どの場合は助手席の足元に備え付けられていますが、一度ご自身の車にはどこにあるのか確認しておいた方が良いでしょう。

一度でも自分の目で設置場所を見ておくと非常時に慌てずに済みますよ。

おわりに

交通事故はほんと起こしたくもありませんし、世の中から完全になくなれば良いと心底思います。

被害者にもなりたくありませんが、こればかりは防ぎようがない場合がありますのでどうしようもない部分もあります。

ですが、加害者になることは、完璧には出来ないとしても自分の努力と注意で避ける事は可能です。ふとした気の緩みや注意力、集中力が欠けた時に起こるのが交通事故だと思います。

ですから皆さんも安全運転で、疲れた時に無理して運転したりすることのないようにお気をつけ下さい。

目標は生涯事故ゼロで、それぞれのカーライフを楽しんで下さい!

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