エンジンが掛からない!そんな時はこの手順で確認してから何をすべきか判断しましょう。
車に乗っていざ出かけようとしたら、エンジンが掛からない!想像もしたくありませんが、そんなトラブルが起こることもあります。何となくドライブにでも行こうかって時ではなく、急いでいる時に限ってそういう事になるケースが多い。でもある程度、原因の絞り込みが出来れば不安を解消出来るかも知れません。
原因の大半はバッテリー
これまで幾度となく「エンジンが掛からないんですけど!」と慌てて掛かって来る電話を取り、対応した経験がありますが殆どの場合はバッテリー上がりが原因でした。
鍵を回してエンジンスタートする車の場合
近頃の車はボタンでエンジンスタートする車も多くなりましたが、キーを回してエンジンを掛ける車もまだまだありますね。そんなタイプの車の方が若干古いはずですから、バッテリーの交換時期が来ている車も多いでしょう。では原因がバッテリーかどうかはどうやって判断すれば良いのでしょうか。
リモコンで鍵は開きましたか?
車に乗り込んだ際、大半の車はリモコンキーで解錠したと思いますが、ちゃんと開きましたか?
リモコンが効かず、鍵穴に鍵を差し込んで回してロック解除した。しかしエンジンが掛からない。これはバッテリーが原因である可能性大です。
ホーンは鳴りますか?
電気の強弱の確認にはホーンを鳴らすのも有効です。キーを回した状態で鳴らしてみて、音量が明らかに小さい場合などもバッテリーがかなり怪しいです。
ハザードは点きますか?
ハザードが点かないレベルでバッテリーが弱っていたらもう完全にアウトですね。たまたまハザードスイッチやリレーが同時に故障したなんてこともあるでしょうが、まぁその確率は低いです。
キーを回して「カチ」と音がしてエンジンが掛からない
基本的にはこの症状でバッテリー上がりに気が付くパターンが多いのですが、「コチ、コチ」など何か金属同士が当たるような音はするけどエンジンが掛からないという状態は典型的なバッテリー上がりの症状です。
ボタンでエンジンをスタートする車の場合
車に乗り込んでブレーキを踏んで、ボタンを押しても反応しない。基本的に原因がバッテリーかどうかを判断する方法は前述の場合と同じだと思って下さい。車によってはマニュアルを見ると「バッテリー上がりの場合」なんて項目があるかも知れませんので、慌てずにマニュアルで確認してみましょう。
セルモーターの故障
これが原因だとその日のお出かけは諦めなければいけません。要はエンジンを掛けるための機械が故障したという事です。
最初はモーターでエンジンを回して始動する
車のエンジンを掛けるには、簡単に説明するとエンジンの横に取り付けてあるモーター(セルモーター、スターターモーターと呼ばれる)があるのですが、鍵を回すだったりボタンを押すなどの動作でそのモーターを回転させます。そしてガソリンを噴射しエンジンがスタートするとモーターの使用を止めてエンジン自身が動作し続けます。
この最初のモーターが回らないと、いつもの「キュキュキュキュ、ブーン!」というスタートが出来ない訳です。「キュキュキュキュ」がモーターがエンジンを回している音ですね。
前述の「カチ、カチ」という音はこのモーターに大容量の電気を流すためのリレーが動く音です。この「カチ」で大きな電気をモーターに流すのですが、モーターを回し切るだけの力がありませんから「キュキュキュキュ」音がスタートしないという訳です。
こうなればセルモーター交換となります。しかしリレーが壊れている可能性もあります。リレーの故障だと修理代はさほど掛かりませんが、セルモーター交換となればそれなりの出費は覚悟しなければいけません。
困ったときのレッカーサービス
どうやってもエンジンが掛からない場合、特にセルモーターが悪い場合はレッカーを呼んで修理工場まで車を運ばなければいけませんね。
バッテリー上がりの場合だと、その場でエンジンをかけてくれるケースも多いでしょう。しかしエンジンが掛かったとしても、バッテリーのダメージによっては「一旦切るともう掛からない」可能性が高いことを忘れずに。
まずはレッカーサービス
とにかくエンジンを掛けるか、車を修理するかしなければどうにもなりませんね。その場で自分の力で何とか出来るのは「ブースターケーブルで他の車と繋いでエンジンを掛ける」事くらいしかありません。ですがバッテリーの位置確認の手間やケーブルの接続間違いなどのリスクを考えると、素直にプロを呼ぶ方が早いです。
任意保険のレッカーサービスを利用
現在契約している任意保険の保険証券が手元にあれば「レッカーサービス」が付いているかどうかを確認しましょう。付いていれば保険会社に連絡、レッカーの手配を依頼しましょう。
もし無ければ、後述のJAFの話で述べる条件を見て「今何か出来ないか」を考えてみて下さい。
そのままディーラーかカー用品店へ直行する
乗っている車のバッテリーは、そのメーカーのディーラーへ行くとほぼ在庫があると思いますので交換してもらえるでしょう。
カー用品店に行く場合は注意が必要です。
出来ればエンジンは掛けたままお店の人を呼びましょう。
もしエンジンを切ってお店に入り、バッテリー交換を依頼したが適合するバッテリーの在庫が無いなんてことになれば、また再始動のためにレッカーサービスを利用するか、そのお店の方に頼んでエンジンを始動してもらわなければ家に帰れなくなってしまいますので、ここは気をつけて下さい。一般的に売れている車種、特に国産車の場合だと、よほど変わった車でなければほぼ在庫しているはずですからあまり心配は要らないと思います。
ですが念のため、エンジンが掛かっている状態でお店の方に「この車に合うバッテリーの在庫はありますか?」と確認する方が良いでしょう。
任意保険の契約内容を確認しましょう
最近の任意保険はレッカーサービスが付いている保険も多いですが、レッカーサービスは特約になっている場合もあります。
もし任意保険の契約書をお持ちであればその内容を確認し「レッカーサービス」の記載があるかどうかを確認します。もし分からなければそこに書かれてある「問い合わせ電話番号」へ電話し、契約書に記載の証券番号を伝えればレッカーサービスの有無、無ければいくら払えば特約が付けれるのかを教えてもらえると思います。
JAFも無駄ではない
前述のように保険にレッカーサービスが付くようになってJAFの会員数が激減しているなんて話も聞いたことがあります。以前は「自分の車のトラブル」にしか使えなかったJAFですが、今では「会員の運転する車」だと「他人の車であろうと」全て使えるようになりました。また保険に付属のレッカーサービスは距離の制限が短かったりする可能性もあります。
例を挙げるとJAFは「15kmまでは無料(15km超過1km毎に730円)」です。時間帯や条件によって変わってくると思います。この場合、遠方で故障すると車の移動だけで相当な費用がかかる可能性もあります。
保険に付属のレッカーサービスがどこまでカバーしているのかを調べてみましょう。条件によってはJAFに入るのは無駄では無いかも知れませんので確認は必須です。
契約内容が気に入らなかったら
任意保険の内容なんてそんなに気にするものでもありませんし、勧められるがままに契約された方も多いでしょう。ですからこれがまぁ良いチャンスだと思って他社との比較をするのも一案です。
今はネットの時代ですから、一括見積もりを取るなんて事は意外と簡単です。ちょっとの手間で年間数万円の節約が出来た上に契約内容も充実するなんて事もありますから、一度試されても良いのではないかと思います。
この場合、出来るだけ「弁護士費用特約」を付けるか、または付いている物を選びましょう。
交通事故、特に交差点内での事故は過失割合なんかでかなり揉めることが多いです。相手が無保険だったり払わないと言い出したりと金銭的なトラブルが起こる事は必須です。
そんな時に「弁護士」という味方が付いているのといないのとでは「非常に」大きな差が出ます。これは過去に何十件も交通事故の話を見聞きしてきたので明らかです。「当てられ損」や「泣き寝入り」を避けるために数千円の差で特約を付けられるのであれば「弁護士費用特約」は必ず付けましょう。
弁護士費用特約、これはレッカーサービスより重要かも知れません。
さいごに
自動車のパーツや消耗品などで「いい加減でも大丈夫」なんて物は基本的には一つもありませんが、このバッテリーだけは「ダメになると乗れない」という悲惨な目に遭いますので、出来るだけ早めの交換をするようにしましょう。
「キュキュキュキュ」が元気がないなぁなんて感じたら即交換と思っておいて良いと思います。
工場によっては「バッテリーチェッカー」を持っている工場もあります。今のバッテリーに不安があるなら、そのテスターを持っている工場へ行きバッテリーの状態をチェックしてもらいましょう。
上がってからでは遅いですから早め早めの対応を心がけましょう!