【DIY】メンテナンスのための工具の買い方選び方 初級編

いざ車のメンテナンスを始めようとしても、一体どういった工具が必要なのかイメージしにくいと思います。使わないような無駄なものは買いたくないでしょうし、間違ったものを購入してあまり使えなかったりするのも勿体ないですから、最初はこんな工具から揃えたら先々も無駄にならないですよというアドバイスです。

ちなみに今回は国産車のメンテナンスに必要な工具ということを前提にしています。

国産車の基本的なボルト頭サイズ

まず、通常の国産車で使われているボルト頭のサイズは

10mm, 12mm, 14mm, 17mmがほとんどです。最近は11mm, 13mm, 15mmを使用するケースも増えてきていますが、基本は10,12,14,17ですね。その中でも17mmの登場回数は最初の頃は少ないと思います。

定番の工具

最初に揃えるのであれば、回す、切る、掴むを一通り揃えていれば良いかと思います。

回す工具

ドライバ

代表的なのはドライバですね。どの家庭にも一本や二本は置いてあるでしょう。

中でも2番のプラスドライバを一番よく使います。

ドライバーを選ぶ際、出来ればお店に行って自分の手で握ってみて、手のサイズと太さや握り心地などしっくりくるものを選ぶようにして下さい。

また長さに関してですが、2番の長さが25cmくらいの長さのものを選んでおけば良いでしょう。

一生持つかどうかは疑問ですが、予算が許すなら出来れば貫通ドライバという種類を選ぶと良いでしょう。

どうしても緩まないネジを緩めなければいけない際、ドライバの後ろを叩きながら回すことがあります。貫通ドライバの目的はそれで、ドライバ先端からグリップを貫通してお尻の部分まで一体の金属で作られています。

マイナスドライバも、慣れてくるとマイナスドライバとして使うことはほとんどなく、隙間を広げたり、何かを保持したりするような目的で使うことが多くなりますので、出来れば貫通タイプを選ばれると良いと思います。

プラスもマイナスもそれぞれ1、2、3番と3本ずつ用意しておくと良いでしょう。

このKTCの貫通ドライバーセットは使った事がありますが、オイルで汚れた手でもそれなりに力が入りますし、ドライバーの根元が六角ナットのようになっており、緩まないネジはここにメガネレンチを掛けて回すと緩みやすいです。ただしドライバーをネジに対して「押し」の方向に8割くらいの力を掛けるつもりで回すようにしないと必ずナメますのでご注意。

[wpap service="with" type="detail" id="B004SCU0ZG" title="KTC(ケーテーシー) 樹脂柄 ドライバーセット貫通タイプ 8本組 TPMD18″]

グリップがソフトなタイプが良ければこちらもオススメです。ただ握り部分の形状が丸なのでオイルが付いた手で回すなどの場合は滑りがあるかも知れません。

[wpap service="with" type="detail" id="B001EQDWH2″ title="KTC(ケーテーシー) ソフト貫通ドライバー TD2798″]

コンビ、メガネ

次に回す工具の代表はコンビネーションレンチ、メガネレンチですね。

メガネレンチの多くは10X12, 12X14, 14X17と一本の工具の両端が異なるサイズで作られているものが多いです。正直メガネが一番安心して回せる工具だと思いますが、最初に購入するなら「片目片口」などと言われる「コンビネーションレンチ」を購入されることをお勧めします。これを選ぶと各サイズ一本ずつ購入しないといけないのですが、どうしてもスパナでないと回せない状況や、ボルトとナットで何かを固定する際、片側はスパナで保持する方が便利な場合が多いのが理由です。

ですから最初に買うなら10mm, 12mm, 14mmのコンビ3本で始めても良いでしょう。

3本では心もとない感じもしますが、自分が次に何か作業をしようと思う際にあらかじめ予習といいますか、今ある工具で足りるかどうかを先に確認して、もし足りなければその都度追加で購入していけば良いかと思います。

実際にメガネとスパナの口を見て、精度を確認したいところですが、以下写真のは激安セットです。無くす可能性もありますから、とりあえずこの辺りから揃えるのも良いかも知れません。

[wpap service="with" type="detail" id="B00FB91SLK" title="SUN UP コンビネーションレンチ 6丁組"]

ソケットレンチ

これこそ「工具!」って感じがするのがソケットレンチですね。メガネなんかもそうですが、ズラリと並んだ工具を見ると「すごいなー」なんて思いますね。いくらあっても足りないのがこの工具ですが、最初はそんなに沢山揃える必要は無いと思います。

あまりに種類が多すぎて、全てを説明すると大変なことになるので要点を絞って最初に買うべきものを記載します。

購入の際に注意すべき点は差し込み角です。

ラチェットなど回す工具に取り付けて使用するソケットですが、この刺さる部分のサイズが数通りあります。

自動車整備のハンドツール(エアなど使わず手で締めたり緩めたりする)で代表的なサイズは1/4(6.3sq), 3/8(9.5sq), 1/2(12.7sq)の3通りですが、最初は手軽な1/4で良いと思います。

このサイズは「シブイチ」と呼ばれます。

人によってはこれで14mmのボルトを緩める整備士もおられますが、私の感覚ではちょっと危ないというか工具が潰れそう、また回す力がかなり必要になりますので(ラチェットの長さにも依る)私がシブイチで回すのは最大13mmまでです。13mmでも場所によっては(マフラー取り付けボルトなど)シブイチではほぼ緩めるのが不可能と思われるようなボルトもありますので万能とは言えませんが、大きすぎず、特に狭い場所での作業には重宝します。室内の作業、オーディオ交換、ドア内張りなど軽作業にはこの工具が一番便利です。

最近は中国製の工具セットもあちこちで見られます。現物が見れるのであれば、ソケットの部分の製造精度やメッキの厚みにムラがないかなどを確認して、そこそこしっかり作られているなと感じるものであれば、使用頻度を考えると購入しても良いのでは無いかと思います。

ただ、長持ちはしない(安物のソケットは割れたり裂けたりします)でしょうから、壊れたらそのサイズのソケットをちゃんとしたものに買い換えていく方が良いでしょう。

セットを購入しないのであれば、シブイチの8mm, 9mm, 10mm, 11mm, 12mm, を買っておけば当分は大丈夫です。この中でも9mmと11mmは登場回数がかなり少ないと思いますので、後日必要になれば購入する事にして最初は買わなくても構わないと思います。

この工具に合わせて持っておきたいのは「エクステンションバー」です。

通称「エキバー」です。

ラチェットからソケットを延長して遠い場所や深い場所にあるボルトを緩めるために使います。場所によっては適切な長さのエキバーを使えば、ボルトの回転方向と直角に回すことが出来ますので、しっかり力が掛かります。

最初は短いものを一本、そこそこ長い物を一本と、2本あれば十分だと思います。

この工具で肝心なのは回す方、ラチェットが肝心です。これが使いにくい、変な形など違和感があると、手が痛くなったり斜めに力が掛かったりしますので「手の中に入る工具」は良いものを一本持っておいても損はないと思います。

今まで色々と使ってきた中でのオススメはスナップオンですが、かなり高いので最初はKoken, KTCなどから始めても良いのではないかと思います。

ただ購入の際は出来るだけ手にとって握ってみて、確認できる状況で購入されることをお勧めします。

これだけは有名メーカーだから良い訳でもなく、また自分の手に合うかどうかの話ですから他人のレビューはあまり当てになりませんから。

Amazonで見つけたこのセットはなかなか良さげです。ソケットは拡大してみるとサイズによって角の肉厚に違いがあるようですから耐久性はなんとも言えない部分もありますが、DIYでの使用なら問題ないでしょう。もしも割れたら有名メーカーのものを買い足していけば良いです。

[wpap service="with" type="detail" id="B07GNDKY2C" title="WORKPRO ソケットレンチセット ガレージツールセット ラチェットレンチ 差込角6.35mm(1/4インチ) クイッ…"]

切る工具

切るもので代表的なのはニッパですね。

どのくらいのものを切るかにも依るのですが、タイラップ(コンベックスバンド)など樹脂やゴムを切るだけなら、別に100均のニッパでも問題ないです。切れなくなったら買い換え。コストは100円ですから。

しかしスチールの針金などを切るのであれば、きちんとしたニッパを購入しましょう。一般にニッパで良いと聞くのはクニペックスですね。切る工具は無茶な使い方をすると刃がダメになるので何とも言えませんが、このあたりを一本持っていると一生モノとして使えるかも知れませんね。

[wpap service="with" type="detail" id="B0011252K4″ title="KNIPEX(クニペックス) 強力型ニッパー 160mm 7401160″]

次にハサミです。これはもう一択です。

ネジザウルスで有名なエンジニアの製品「鉄腕ハサミGT PH-55」。

私にはこれ以外の選択肢はありませんね。少々値は張りますが(といっても1700円前後)、厚いゴム板からアルミ、配線など少々のものならガンガン切れます。すごく丈夫で信頼出来るツールです。

[wpap service="with" type="detail" id="B005QTRJA4″ title="エンジニア 鉄腕ハサミGT キャップ付 刃渡り56㎜ PH-55″]

掴む工具

掴む工具で代表的なのはラジオペンチやプライヤですね。

プライヤは、一度ちゃんとしたものを使うと車載工具に入っているものは怖くて使えなくなります。それくらい精度が違います。私はKTCのものを使っていますが、これもお店で握り具合を確認してから購入されると良いでしょう。

[wpap service="with" type="detail" id="B001EQFJ5K" title="KTC (京都機械工具) コンビネーションプライヤー (ソフトグリップ付) 150mm PJ150″]

ラジオペンチ。最初の頃はこれを使って「しっかり掴む」ことはあまりしません。どちらかというと精密とまでは言わないが繊細な作業の際に使います。ですから、持ったものが滑りにくいことが重要です。握った際にお互いがきちんと面と面が重なり工具が閉じるかをチェックして購入すると良いでしょう。色々と出来るようになってくると、狭い場所で割りピンをつかんで引っ張ったりする際にも使うので「それなりに安心して掴める」ものが必要になってきます。必要になればその時に「良いもの、使えるもの」の購入を検討すれば良いでしょう。

[wpap service="with" type="detail" id="B001EQH5IO" title="KTC [ 京都機械工具 ] 自動車専用工具 ラジオペンチ PSL-150″]

まとめ

以上で初級編は終了です。

まとめると、最初に購入するなら

 

ドライバ:プラスとマイナス各3本、出来れば貫通で。2番の長さが約25cmあたりのものを選ぶ

コンビネーション:10mm、12mm、14mmを各1本ずつ

ソケット:8mm, 9mm, 10mm, 11mm, 12mmあれば良い。ラチェットは出来れば良いものを。エクステンションバーは短いもの1本、長いもの1本。

ニッパ:適当なもので良い

ハサミ:鉄腕ハサミGT PH-55

プライヤ:車載工具のようなものでなくKTCなど手に馴染むもの

ラジオペンチ:適当なもので良い

 

以上です。

工具販売店は最近ではストレートやアストロプロダクツなど格安メーカーが全国展開しています。

「良い工具!」とは言い難い部分もありますが、サンデーメカニックには十分すぎるクオリティでコスパは最強だと思います。

工具がたくさん並んだお店に行くのは楽しいですよ。

是非一度足を運んで、手にとって感触を確かめてみて下さい。

関連記事(一部広告含む)