運転免許の違反点数は「引かれない」のが正解です
車やバイクの運転をしていて捕まった際、誰かに話したくなるのが常だと思いますが、そんな話を聞く側の立場に立った際によく聞くのが「こないだ〜の違反で〇〇点引かれたー!」という表現ですが、果たしてそれは正しいのでしょうか?
違反点数は減点方式ではなく累積方式
ここを勘違いしている人が意外と多いと感じますが、違反した際の点数の計算方式は累積、つまり加算していくのが正しい計算方式です。
この点数制度を採用したのが昭和44年10月から採用されているようです。
点数制度とは、自動車等の運転者の交通違反や交通事故に一定の点数を付けて、その過去3年間の累積点数等に応じて免許の停止や取消等の処分を行う制度です。
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/menkyo/torishimari/gyosei/seido/gyosei15.html
このように、累積される点数は3年間の合計となりますが、最後の違反から1年間無事故無違反、2年間無事故無違反の方には優遇措置があります。
- 1年間、無事故・無違反の方
免許停止期間や免許が失効した期間を除き運転可能な期間が、前の違反と後の違反までの間が1年以上無事故・無違反・無処分である場合に限り点数は累積されません。- 2年間無事故・無違反の方
2年以上無事故・無違反・無処分で、1点、2点又は3点の違反行為をし、その後3か月以上無事故・無違反で経過したときは、その点数は累積されません。ただし、この場合であっても、この点数は消えるのではなく、違反歴として残っています。
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/menkyo/torishimari/gyosei/seido/gyosei15.html
これを見ると、一度違反をしてしまったら、とにかくその先最低1年間は違反をしないように細心の注意を払う必要があることが分かります。
昔は私も勘違いしていた
免許を取りたてホヤホヤの頃、先輩方の話を聞いてそのままそれが正しいというか、疑いも持たずに信じていたので後で気付いてびっくりしました。
昔は「満タン(違反歴なし)が15点、そこから違反をすれば減点されて15点になったら免取り(免許取消処分)」と完全に思い込んでいました。
ですがよく考えたら、15点の持ち点を失ったら免許取消処分というのはおかしな話ですね。ひどい違反の場合は複合的にいくつもの違反が重なるケースが多いのではないかと思います。
例を挙げてみると、例えば過去に目撃した事があるパトカーから逃走中の車などは
- 速度超過
- 信号無視
- 一旦停止無視
このように、複数の違反を同時にしながら逃走しているのでは?と思いますし、よくある酷い話の飲酒で人身事故などのケースは
- 酒酔い運転
- ひき逃げ(救護義務違反)
- 速度超過
- 信号無視
などが重なるケースになるのでは?と想像します。
これらのように複合的に違反を重ねたとしても、均等に15点引かれて免許取消処分なんて制度だと、あまりに不平等な気もしますね。
制度的には理に適っている
前述のようなパターンを考慮した場合、累積方式をとる免許制度は理に適っているのではないかと私は思います。
次項の交通違反の点数一覧表を見るとよく分かりますが、違反の点数は高いものだと35点なんてのも存在します。
交通違反の点数一覧表
以下の表が交通違反の点数一覧表です。
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/menkyo/torishimari/gyosei/seido/tensu.html
違反行為の種別 点数 酒気帯び点数 0.25未満 0.25以上 酒酔い運転 35 麻薬等運転 35 共同危険行為等禁止違反 25 無免許運転 25 25 25 大型自動車等無資格運転 12 19 25 仮免許運転違反 12 19 25 酒気帯び運転 0.25以上 25 0.25未満 13 過労運転等 25 妨害運転 著しい交通の危険 35 交通の危険のおそれ 25 無車検運行 6 16 25 無保険運行 6 16 25 速度超過 50以上 12 19 25 30(高速40)以上50未満 6 16 25 25以上30(高速40)未満 3 15 25 20以上25未満 2 14 25 20未満 1 14 25 積載物
重量制限超過大型等10割以上 6 16 25 大型等5割以上10割未満 3 15 25 普通等10割以上 3 15 25 大型等5割未満 2 14 25 普通等5割以上10割未満 2 14 25 普通等5割未満 1 14 25 放置駐車違反 駐停車禁止場所等 3 駐車禁止場所等 2 保管場所法違反 道路使用 3 長時間駐車 2 警察官現場指示違反 2 14 25 警察官通行禁止制限違反 2 14 25 信号無視 赤色等 2 14 25 点滅 2 14 25 通行禁止違反 2 14 25 歩行者用道路徐行違反 2 14 25 通行区分違反 2 14 25 歩行者側方安全間隔不保持等 2 14 25 急ブレーキ禁止違反 2 14 25 法定横断等禁止違反 2 14 25 追越し違反 2 14 25 路面電車後方不停止 2 14 25 踏切不停止等 2 14 25 遮断踏切立入り 2 14 25 優先道路通行車妨害等 2 14 25 交差点安全進行義務違反 2 14 25 横断歩行者等妨害等 2 14 25 徐行場所違反 2 14 25 指定場所一時不停止等 2 14 25 駐停車違反 駐停車禁止場所等 2 14 25 駐車禁止場所等 1 14 25 整備不良 制動装置等 2 14 25 尾灯等 1 14 25 安全運転義務違反 2 14 25 幼児等通行妨害 2 14 25 安全地帯徐行違反 2 14 25 騒音運転等 2 14 25 携帯電話使用等(交通の危険) 6 16 25 携帯電話使用等(保持) 3 15 25 消音器不備 2 14 25 高速自動車国道等措置命令違反 2 14 25 本線車道横断等禁止違反 2 14 25 高速自動車国道等運転者遵守事項違反 2 14 25 高速自動車国道等車間距離不保持 2 14 25 車間距離不保持 1 14 25 免許条件違反 2 14 25 番号標表示義務違反 2 14 25 混雑緩和措置命令違反 1 14 25 通行許可条件違反 1 14 25 通行帯違反 1 14 25 路線バス等優先通行帯違反 1 14 25 軌道敷内違反 1 14 25 道路外出右左折方法違反 1 14 25 道路外出右左折合図車妨害 1 14 25 指定横断等禁止違反 1 14 25 進路変更禁止違反 1 14 25 追い付かれた車両の義務違反 1 14 25 乗合自動車発進妨害 1 14 25 割込み等 1 14 25 交差点右左折方法違反 1 14 25 交差点右左折等合図車妨害 1 14 25 指定通行区分違反 1 14 25 交差点優先車妨害 1 14 25 緊急車妨害等 1 14 25 交差点等進入禁止違反 1 14 25 無灯火 1 14 25 減光等義務違反 1 14 25 合図不履行 1 14 25 合図制限違反 1 14 25 警音器吹鳴義務違反 1 14 25 乗車積載方法違反 1 14 25 定員外乗車 1 14 25 積載物大きさ制限超過 1 14 25 積載方法制限超過 1 14 25 制限外許可条件違反 1 14 25 牽引違反 1 14 25 原付牽引違反 1 14 25 転落等防止措置義務違反 1 14 25 転落積載物等危険防止措置義務違反 1 14 25 安全不確認ドア開放等 1 14 25 停止措置義務違反 1 14 25 初心運転者等保護義務違反 1 14 25 座席ベルト装着義務違反 1 14 25 幼児用補助装置使用義務違反 1 14 25 乗車用ヘルメット着用義務違反 1 14 25 大型自動二輪車等乗車方法違反 2 14 25 初心運転者標識表示義務違反 1 14 25 最低速度違反 1 14 25 本線車道通行車妨害 1 14 25 本線車道緊急車妨害 1 14 25 本線車道出入方法違反 1 14 25 牽引自動車本線車道通行帯違反 1 14 25 故障車両表示義務違反 1 14 25 仮免許練習標識表示義務違反 1 14 25
なんだか免許取り立ての頃よりも項目が増えて各違反の名称が細かくなっていってる様な気がしますね。それだけ違反も多様化、道路交通事情も変化してきたという事でしょう。
反則行為の種別及び反則金一覧表
反則金については長くなりそうなので、以下リンク先を参照にしてください。
過去数年間の違反歴を忘れてしまった方
普段は安全運転、めったに切符は切られないよってタイプの方は、最後に違反をしたのがいつだったか思い出そうとしてもなかなか出てこないのではないでしょうか。
そんな時は、申請すれば過去の履歴を手に入れることができます。
過去に一度だけ申請したが
実は、私はかなり前に一度だけ運転記録証明書を申請した事があります。これが何故申請したのか全く記憶にないのですが、恐らく勤め先に提出するように言われたとかそんな理由だったような気がします。
ですからどこで申請したのかすら覚えていません。受け取ったのは確か郵送で申請から数日経過した後に届いた記憶があります。
個人の運転履歴、経歴に関する証明は自動車安全運転センターが管理しているらしく、以下の4つの証明書が入手出来ます。
- 無事故・無違反証明書
- 運転記録証明書
- 累積点数等証明書
- 運転免許経歴証明書
気になる方は一度入手されると良いかと思います。
詳細は以下サイトにてご確認下さい。
おわりに
一度取得すると、自主返納するか死ぬまで使うのが運転免許ですね。急いでいるときなどはどうしても飛ばしがちになるのが人間だと思います。
免許証を失わないがために安全運転をするのはちょっと違うと思いますが、他人を傷つけない、自分も傷つかない、免許証もゴールド免許で過ごすにはやはり安全運転が第一ですね。
ちょっと心のゆとりがあれば、速度超過の高い反則金を払わずに済みます。安全運転をしているから絶対に事故しないなんて事はありませんが、安全運転を心がけていると交通事故のリスクは必ず下がります。
皆さん愛車を大事に、免許証を大事にカーライフを楽しんで下さいね!