【車の買い替え】車をローンで賢く買い替える方法【2020年3月】
車をローンで賢く買い替える方法
車検時期になると「車検を受けるか乗り換えるか」の選択を強いられる事もしばしば。乗り換えるタイミングとしては車検は最も一般的なタイミングなのですが、突然の大きな故障で急な乗り換えを強いられる事もあるでしょう。
急に200万、300万の現金を用意してパッと乗り換える事が出来れば一番良いのですが、世の中そんなに裕福な方もなかなか少ないのではないかと思います。
現金が無いけど車を買う手段
他にもあるのかも知れませんが、12年ほど車を販売してましたが、そんな時にお客様が取られる方法は主に3つ(4つ目は例外)でした。
1.親ローン、身内ローン
かなりケースは少ないですが、親御さんが「高い金利払うくらいだったら貸してやるから現金で買え」といって貸してくれるケースですね。兄弟や親戚からってパターンは、聞いた事がないだけかも知れませんがこれまでは皆無でした。
ある時払いの催促なしなんて都合の良い話では無いのでしょうが、金融機関に高い金利を払うことを考えると、この手段を選べる人は本当に幸せですね。
2.銀行のローン
次は銀行のローンです。名称は「マイカーローン」としている金融機関が多いですが、とにかく車を買うための資金を銀行から調達するというのが銀行のローンです。
3.信販系のローン
俗に言われる「オートローン」ですね。自動車販売店で審査依頼をして、通ったらそこで契約、書類を作成して「オートローンの契約」が終了するというローンです。
4.クレジットカードで購入
冗談みたいな話に聞こえますが、過去に3件ほどありました。本当にクレジットカードで支払われたお客様がおられました。額面ははっきり覚えてませんが皆さん300万以下だったと記憶していますが。
まぁあり得ん事も無いかなと思えるところは、クレジットカード会社の「ポイント還元」などですね。大きな金額が帰ってくる、見返りがそれなりにあるのであれば「現金で買えるんだけど、とりあえずカード払いで来月一括で払うか」となっても不思議ではありませんね。
支払った後、リボ払いに変更なんてことをすると地獄へ一直線です。金利計算をすると寒気がするほど金利を払わないといけなくなりますので、いくら見返りがあってもこれだけは注意された方が良いと思います。
また車両の販売のみならず通常の支払いに関しても「クレジットカードだと手数料を引かれるから、それを上乗せして請求させてもらう」など完全に契約違反行為を普通に行うお店もあるようです。
「ローン会社との契約を守らない会社=あなたとの契約も守らない会社」
であることは想像に難くありませんね。
そういった業者とは関わらないのが無難です。買った車に何か不具合があっても責任を取らない可能性が高いですから知らないふり、気付いていないふりをして静かに立ち去りましょう。
とにかくこの中で果たしてどこが一番お得なのか
オートローン、マイカーローンなど金融機関によって呼び方は様々ですが、簡単に言えばただの借金ですね。出来れば金利も払いたくないし借りたくも無いですが、借りないと買えないんであれば仕方がありません。
では、どうせ借りるなら一番得な方法で借りないと、後から計算したら支払い総額の差がありすぎて唖然、なんて事にもなりかねませんね。
では、クレジットカードで車両購入はレアケースでしょうから、それを除いた3つの方法について記載します。
親ローンについて
これが使える方は、まぁ出来るだけ使った方が良いかと思いますが、後に「あの時世話してやったのに」なんて言われるかも知れませんね。
「タダほど高いものは無い」なんて言葉もあるくらいですから、現在の親子関係と、借りた後の未来の親子関係をよく考えてから借りるようにしましょう。
信販系のローン
これまでの経験で、これを選ばれる方が一番多かったです。理由は当然様々ではあるのでしょうが、一番人気の理由はやはり「契約の手軽さ」だと私は思います。
信販系ローンのメリット
では、まず信販系ローンのメリットから見ていきましょう。
審査がスピーディー
記事を最後までお読み頂ければわかるかと思いますが、メリットはこれに尽きます。逆にこれ以外にはメリットはありません。
お店に行って気に入った車が見つかった、月々の支払いも問題ない。ここでローン契約まで終わるのですから、あとは印鑑証明や車庫証明などの必要書類をこちらが用意するだけ。購入までがとてもスムーズに進みます。これが最大のメリットです。
信販系ローンのデメリット
ではどんなデメリットがあるのでしょうか。
所有権留保
オートローンで車を購入すると、ローン会社が「お金を貸す代わりに担保としてあなたの車は押さえますよ」というのが所有権留保です。要は「完済するまでは我々ローン会社がその車の所有権を持ちます」という事です。まぁ住宅ローンもそうですが、家を買ったと言っても支払いが終わるまでは家の持ち主は銀行です。家だと命を担保に生命保険に入る必要がありますが。
余談は置いといて、この所有権留保、支払いが完了すると「これであなたの名義に変えてもらって良いですよ」という封書が届くはずです。この手続きをされない方が多い。まぁ車屋に頼めば費用が発生しますので、自分で陸運局へ行き「所有権解除」の申請をすれば良いのですが、大半の方は面倒だから放置していますね。せっかく晴れて自分の車になったにも関わらずです。
金利は店舗によって違う事がある
これも不思議に感じる部分でしょう。新車の購入ではこれはますあり得ない話だと思いますが、中古車の場合は同じ会社のオートローンであるにも関わらず店舗によって金利に差があります。どうしてこういう事が起こるのでしょうか?
一つの店舗でも複数のローン会社と契約しているのが普通です。その中でもよく使っているローン会社などは少し金利が低い契約を結んでくれたりします。要は「車が売れてローンの場合は、うちの会社のローン使ってくださいね!」がローン会社の依頼で、店舗側は「一番金利が低いローン会社を使いたい」の図式ですが、この「金利が低い」のはローン契約者の金利が低いのではなく「契約している店舗に対しての金利が低い」という事です。
例えば「店舗A」のローン会社との契約で、「ローン会社A」の契約が3.5%、「ローン会社B」との契約が4.0%としましょう。「店舗A」がお客さんにローン契約をする際に適用したローン金利が4.5%であった場合、もし「ローン会社A」のローンを使うと「4.5% - 3.5%」で1%が残ります。「ローン会社B」のローンを使うと「4.5% - 4.0%」となり0.5%が残ります。この残りが販売会社に還元されるという訳です。
ですから店舗は、出来るだけ高い金利で契約した方が得ということになります。
もう20年近く前の話ですが、当時14.8%なんて無茶苦茶な金利でローン契約すると営業マンの給料に還元するなんて会社も存在しました。当然ですがその企業は後に消滅しましたが。
このように「ある一定のライン以下に下げる事が出来ない」のですが、逆に「0.1%でも高い方が儲かる」という図式も存在するという事になります。
ですから「何台も買いかえる常連客」となれば、下手すると大手銀行のマイカーローンより金利が低くなる可能性もありますから、状況によってはかなり使えるローンともいえますね。
新車の場合は話がちょっと違う
新車だと、自社の別会社としてローン会社があるケースも多いため、信販会社のローンを使用するケースは少ないと思います。正直私は新車を買った事がないので経験は無いのですが、ワンオーナーの車を下取りをする際に、所有車の欄に(所有権が付いている車という意)「メーカーの名前」が入っているのは何度も見ましたので、基本的には信販会社は使わないのが新車販売店では?という印象です。
昔、信販会社の営業マンと話してて聞いたのですが、中古車販売店でローンが通るか通らないかギリギリの審査だったとしても新車のローン申請は通るケースもあるという話でした。
これは何故そうなるのか。その場合購入する車は新車ですね。もし支払いが滞った場合はその車を差し押さえられますよね?その際の価値は新車の方が高いと見越しているのと、もう一つは「新車ディーラーに行ってちゃんとした物を買おうとする感覚を持った人」は「お金がないから払えない」と開き直るような考えを持つ人が少ないと予想しての審査になるからだ、なんて話を聞いた事があります。
まぁ、いち営業マンとの余談で聞いた話ですから、その信憑性はどこまでかを考えると?な部分もありますが、自分が貸す方の立場に立って考えると理にかなっているとも思います。
では次に銀行のローンです。
銀行系のローン
これも正直、銀行によってかなりの差がありますが、まずは銀行系のローンのメリットについて。
銀行系ローンのメリット
これは信販系ローンと違い、メリットがいくつかあります。
金利は安め
今やノンバンクも大手銀の傘下ですから何が違うのかさっぱり分かりませんが、銀行系のローンの方が金利が低い場合が多いですね。
所有権が付かないケースが多い
私も利用したことがあるのですが、これまで自分も含めて銀行ローンで所有権が付いている車両はみたことがありません。
住宅ローン契約があるなら優遇金利がある場合が多い
これは後述しますが、各銀行によってサービス内容が違うのですが住宅ローンがあればマイカーローンの金利は優遇されます。
銀行系ローンのデメリット
良い点も多いですが、やはりデメリットはあります。
審査に時間が掛かる
信販系のように数十分で審査が終わり、すぐに契約出来るという訳にはいかず、その日に結果が出ることはほぼ無いと思っておいた方が良いでしょう。
購入後も証拠?提出
契約書の提出、またお金を振り込んだり支払ったことを証明する必要があります。
信販系のローンの場合、契約が終わって書類が揃ったら信販会社が「車屋」にお金を振り込みます。銀行の場合、大半は「借りた人=契約者」にお金が振り込まれますので、ちゃんと申告通りに車の支払いに使用したの確認が取られるという訳です。
やはり銀行、きちんとしている
手間がかかる、時間がかかるなど確かに面倒が多いように思われますが、信販系とは全く違う手続きですね。そもそも申込者は車の契約者であるにも関わらず、借りた契約者でなく売った店側にお金を振り込むなんて、まともに考えたらちょっとおかしな仕組みだなぁなんて思ったりします。
都市銀行マイカーローン金利比較
この記事を書いている2020年3月初旬時点での各都市銀行のマイカーローン金利、優遇金利を調べてみましたので、各銀行の金利を見てみましょう。
三菱UFJ銀行
三菱UFJは今キャンペーン金利を提供しており、優遇金利の通常金利がわかりませんでしたので、キャンペーン金利の記載となります。
ネットDEマイカーローン
金利は変動金利です。また繰上返済が可能でWEB上だと繰上返済手数料が無料。最長10年、上限1000万円。WEB契約は印紙代無料。
通常金利 2.975% 2020/03/30までの申し込みで、500万円以下 2.45% 500万円超 1.70%
優遇金利(キャンペーン金利)キャンペーン期間中 500万円以下 2.25% 500万円超 1.50%
三井住友銀行
三井住友は、なんとなく他行と比較すると味気ない感じでした。ちなみに金利は変動金利、繰上返済は全額、一部に関わらず一回5500円の手数料。上限が300万円まで。期間は最長10年
マイカーローン
ローン金利 通常4.475%
優遇金利 店頭金利より▲年1.5%
りそな銀行
こちらは結構力をいれて売っている商品のように感じました。条件が緩すぎて大丈夫かなと不安になるくらいですね。
マイカーローン
繰上返済手数料無料、上限500万円、最長10年、所有権無し、現在の車のローン残債を上乗せして取り扱い可能、カスタムカーの改造費も上乗せ可能。
ローン金利 1.9% 2.8% 4.475%のうちどれか審査で決定
優遇金利 住宅ローン利用者は1.9%確定
みずほ銀行
みずほ銀行は車用のマイカーローンがなく「多目的ローン」が他行のそれに当たります。固定金利の適用があるのはここだけですね。なかなか固くて良いかと思いますが金利がなかなか高いです。
多目的ローン
上限300万円、最長7年、現在みずほ銀行で証書貸付ローンをご利用中、または過去に利用があれば年0.1%の金利引き下げ。
ローン金利 変動5.875% 固定6.65%
優遇金利 変動.3.375% 固定3.9%
審査はどこで受けても同じ
これが意外に知られていない話だと思いますが、金融機関が「この人に貸しても良いか、回収可能か」を確認するデータセンター、どの金融機関も同じ所で参照しています。
ですから「審査に通らなかったから違う店に行ってローンを通してみる」という手法はほぼ通用しません。また、複数のお店で1日に何度も審査にかけるのもマイナスです。
これはなぜでしょう?
クレジットカードをたくさん持っている方がおられますよね?全てのカードに借入額の上限があるかと思いますが、そのカード保有者は「その気になれば全てのカードの上限まで1日で借りることが出来る」ということになりますね。これが何を意味するかと言うと「カードの各上限額の合計を既に借金していることと同じ」という事を意味しています。
この考え方と同じで「1日に異なる車で複数の審査をした」これが全てOKとなった場合、なかなかあり得ませんが「審査に通った複数の車を同時にローンで買える」ことと同じになりますね。実際は本申し込みの時点で落とされてしまうとは思いますが、お金を借りる仕組みとはそんな感じです。
おわりに
念のため記載しておきますが、ここに書いた記事はあくまで私の私見であり、現時点ですべての金融機関、その他自動車販売店の業務を証明するような物ではありませんので、その点をご了承頂いた上で参考にして頂けると幸いです。
どうせ借りるなら賢く、出来るだけ損をしないようなローンで車を購入したいですよね。お金を借りる前にしっかりと支払い総額や月々の返済額などを計算してから申し込むようにしましょう。