ユーザー車検当日、検査に落ちたらどうすればいい?

頭を抱える男性

いくら頑張って準備したとしても、車検に落ちることはあります。実際に陸運局に向かう途中にエンジンの調子が悪くなり突然警告灯が点灯したり、ちゃんと確認したにも関わらず陸運局に着いたら電球が切れていたりと何が起こるかわからないのがユーザー車検です。

ここはまず落ち着いて、自動販売機で好きな飲み物でも買ってとりあえず深呼吸。

焦るとロクなことがありませんよ。

少し落ち着いてから、今の状態はその日のうちに対処可能な状態なのかどうかを調べましょう。

当日に対応が可能なケース

まずは今の時間を確認して下さい。そして陸運局が閉まるまで残り何時間あるのか確認しましょう。

車検の受付締め切りは陸運局によって違いますが、このサイトを利用されている方はまだ午前中、またはお昼を過ぎた頃だと思います。

今日中に処理が可能かどうか。

それは「何によって車検に落ちたか」に依ります。

書類に関わる内容で落ちた

書類不備は基本的に受け付けの時点で発覚していると思います。

何か持参するのを忘れた、それが現地で入手不可能なものであれば良いのですが、不可能な場合「取りに帰って戻ってきて間に合うのか」を計算して下さい。

急いでいる時は事故が起きやすいです。くれぐれも「制限速度で移動して間に合うか」を基準に考えて対応して下さい。

書類不備の場合(自賠責保険が無いなど)は、車検受付で「このまま検査ラインは受ける」と申請すると、受験する事は出来ます。

あとは今回不備であった書類を用意し、後日全てをまとめて提出する事で合格する事が出来ます。

ですから「今日は検査ラインまで合格しておいて、次の日に誰かに陸運局に行ってもらって新たな車検証を交付してもらう」ことが可能です。

その期限については陸運局、車検受付窓口にてその場で必ずご確認下さい。

放置している違反、または税金に関する内容で落ちた

陸運局によって違いはあるかも知れませんが、これで通らないことが発覚したという事は「車や書類は合格している」状態ですね。

概略を書くと「未処理の案件を処理して陸運局に戻ってくるまでの時間はあるか」です。

駐禁の場合:警察へ行き払込用紙を再発行してもらい、すぐに支払う。(落ちた事を伝えた陸運局の担当の方にどうすれば良いか聞くのも手です)

税金の場合:陸運局敷地内に自動車税に関わる窓口がありますので、そちらでどうすれば良いか聞いた後に間に合うかどうかの判断をして下さい。

以下リンクも参照し、問題は夕方までに処理可能かどうかを考えて行動して下さい。

処理出来そうだが時間がギリギリになりそう、そんな時は陸運局の方に状況を説明、何時までなら受け付けてくれますか?と一言声をかけてみるのも良いのではないかと思います。

整備に関わる内容で落ちた

これで落ちた方は検査ラインで不合格となったということですね。

マフラーの穴(排気漏れ)

小さな穴であれば、テスター屋や近所の整備工場で埋めてもらう事が出来ると思います。

しかし溶接が必要なほどの穴や接続部が破断しかかっているような場合は難しいかも知れません。

その日のうちに対応可能かどうかは排気漏れの程度の問題ですから、まずはテスター屋、整備工場にて判断してもらい、可能であれば修理して(埋めて)もらいましょう。

電球切れ

特殊な電球やLEDを除いて、テスター屋で対処可能な場合が多いです。テスター屋は車に使用される様々なタイプの電球を在庫しています(全てのテスター屋がそうではない可能性もある)。

ですから電球切れで落ちたら、すぐにテスター屋へ向かって対応可能か確認、修理してもらい再検査を受けて下さい。

注意すべき点は、近頃の車両はLEDを使っている車が多く、この場合は光源が電球ではありませんから交換で修理する事が出来ません。LEDが出た当時は「切れない」と言われていましたが、LEDでも実は普通に切れます(正確には断線や故障)。この場合は丸ごと交換となるケースが多く高くつきますし、また純正部品を使って交換となるケースが多いため、LEDが点灯しない場合、その場での対応は難しいでしょう。

当日の対応がほぼ不可能なケース

これは陸運局の周りに整備工場やディーラーがある、または対応できるテスター屋がある場合と、それらが存在しない場合で対応は変わります。

メーターに突然故障の表示が出た

これは車種にも依るのですが、この場合はかなり厳しいと思います。

お乗りの車のディーラーが、今いる陸運局の近所にある場合は、ダメ元で一度訪ねてなんとかなるか聞いてみましょう。

テスター屋でも知識が豊富な方であれば応急処置にて対応してくれる可能性もありますので、念のため聞いてみても良いと思います。

致命的な物理的故障がある

ゴム部の破損

タイロッドエンドやドライブシャフトブーツ、スタビライザーのブッシュなど、各種ジョイント部のゴムにダメージがありそれが理由で車検に通らなかった場合、その車に合う専用の在庫部品がなければ修理不能なケースが多いですから諦めることになる可能性が高いです。

止められない漏れがある

車には様々な油脂類、液体が使用されています。パワステオイル、エンジンオイル、オートマオイル、クーラントなど。これらの漏れが酷く、そこを指摘されその日のうちに修理となれば、合格は少々厳しかと思います。

再検査は3回目まで

一枚の手数料を支払った検査用紙で1日に再検査が受けれる回数は2回までです(初回を含めると合計3回)。

再検査の際、一回目と同様に検査ラインに行くのですが再検査では「落ちた理由となる部分の再確認」しかしません。検査員に書類一式を渡し、再度車体番号を確認してもらいます。

それで先ほど落ちた原因の不具合を再検査してもらい、直っていれば合格となります。

その2回目でもまた落ちると次がラストチャンスです。その3度目のトライで落ちたら申請書類を作成しまた一から受ける必要があり、初回と同じ手数料がかかります。

しかし2回目で合格しない状態の車は正直良い状態とは言えないと思いますので、一旦帰ってきちんと整備、その後また車検を受ける方が良いと思います。その方法は次で説明します。

どうしようもなかった場合

まずはテスター屋に相談

テスター屋の対応力、部品の在庫などによって変わってくるのですが、とりあえずテスター屋に向かえばなんとかなるかも知れません。

整備に関しては若干高めの価格設定のお店が多い気がしますが、緊急事態に対応してくれるのだから当たり前といえば当たり前ですね。

それでもダメなら

その日のうちに対処出来ない不具合がある場合、潔く諦めて「限定検査証」を発行してもらいましょう。

車検受付窓口に行き伝えて下さい。費用は掛かりません。

これは「不具合部分を除いた部分は車検に通っている」という車検証です。

これを発行してもらい、後日改めて挑戦しましょう。

限定検査証を受け取り、後日再挑戦をする際にまた証紙を購入し貼り付けなければいけません。

1回目の車検より若干安く、限定検査証の場合は1300円ですから、1日に4回目以降のトライをするより良いと思います。

限定検査証に関する詳細は以下記事を参考にしてください。

まとめ

自分で判断が難しい場合、やはりプロに相談するのが一番です。書類のことなら陸運局内の相談窓口、整備のことならテスター屋、整備工場などですね。

陸運局の付近の整備工場に勤める整備士は突発的な事への対応に慣れている方も多いかと思いますので、考えて時間ばかりが過ぎていくくらいならササッと相談しに行くのが良いでしょう。

なんとか修理が完了し、本日中に合格される事を願います。

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